2020年は「起業顧問」の商品化を!
現在、「創業支援」に取り組んでいる事務所は全国に多くいらっしゃるのではないでしょうか?開業直後の事務所から、規模が大きい事務所まで、規模等問わず取り組みやすいところが魅力的なテーマかと思います。
一方で最近、「創業支援はもうレッドオーシャンではないか?」「実際創業を考えている人はどこにいるのか?」「他事務所と差別化が図れない…」といったお声も耳にします。
そこで、創業支援の取り組みを「起業家育成モデル」へアップデートするにあたり、重要となる「起業顧問」の商品化について本日はお伝えいたします。
「起業顧問」とは、これから起業する層に対しての商品を指します。具体的には、起業家予備軍(=ここでは起業3か月前より以前の層と定義します)に対して、創業計画書の作成をゴールに、集合型形式&個別型形式で起業までサポートをしていくことです。目的としては、「伸びる起業家を輩出する」というところに置きます。
なぜ「起業顧問」を商品化するべきか?それは、事務所・顧客双方にメリットが大きいからです。事務所にとっては、起業前から投資意欲のある事業に前向きな層を早期に囲い込むことができ、創業後に顧問契約が見込め、その事業が成長した結果報酬の増額も期待できます。一方起業家にとっては、早期に創業に向けた準備を計画的かつ専門家のアドバイスをもらいながら進められ、創業後スムーズな成長が見込めます。
しかし、「起業顧問」を商品化できている事務所は少ないのが現実かと思います。まずは異業種のモデル事例を学び、それを商品へ取り入れていくことがポイントです。ここでは2つのモデル事例をご紹介します。
1つ目は事業会社様の事例です。こちらは形式としては、月1回の個別面談形式を中心に、オリジナルの創業計画書作成をゴールにしています。月3万円かかりますがマンツーマンの良さを生かし、ビジネスモデルの精度を上げるために日々のスケジュール管理から専門知識の提供までサポートします。実際、受講された起業家の方は、起業後90%が1年で黒字化へ転換されているという成長を遂げております。
2つ目は商工会議所の事例です。こちらは“起業塾”として集団での塾形式のサポートです。受講期間を通じて創業計画書を作成し、最終日は金融機関の担当者を前にビジネスプラン発表会を実施するという流れです。全受講期間を通し5万円で、各コンテンツはワーク中心となっており、創業計画書作成に必要な専門知識も含めた講座を通じて自身のビジネスモデルを磨き上げていきます。最終的には起業後、商工会の会員になってもらうという導線設計です。
769両方のモデル事例より、やはり前向きな起業家は創業前から投資をしていること、ゴール(成果物)は創業計画書を作ること、そのゴールに向けたコンテンツを提供することといったところがルール化できると思います。会計事務所としては、「起業顧問」単体で収益をあげなくとも、顧問サービスや起業後の成長に従った報酬アップも見込めるため、創業前の川上から押さえて起業家予備軍との付き合いを増やしていくことがポイントとなります。
実際に「起業顧問」を商品化された会計事務所は、モデル事例の集合型と個別型の良いところをピックアップし両側面からのサポート体制を築いております。アウトプットは事例通り創業計画書とし、集団型で知識の学習、個別型でそれを自身の創業計画書への落としこむという流れで商品を設計しております。テキストやオリジナルの創業計画書、特典ツール等各種必要なツールを整備し、創業セミナーやWebや紙媒体活用、チャネルの開拓からの紹介経路等、集客の導線設計を進めております。実際の受講生からは、「今具体的に何をしないとだめなのかを教えてもらってよかった」等といった声をいただいており、定期的に開催されております。また定期開催することで「起業家育成に強い事務所」というブランディングもできつつあります。
「起業顧問」は“伸びる起業家”と付き合う良いきっかけとなり、事務所のみならず顧客、ひいては社会にとっても意義のある商品です。「起業家育成モデル」の一環であるどう起業家を育てるか?その1つの答えとして「起業顧問」を商品化する、というところから始めていただければと思います。
なお、創業支援ビジネス研究会では、ご紹介させていただいた「起業顧問」の商品化も1つとした「起業家育成モデル」を会員の皆様と2020年、確立していきたいと考えております。当研究会にご関心のお持ちの方はお気軽にお問合わせください
▼研究会の詳細はコチラ:
https://zeirishi-samurai271.funaisoken.co.jp/e00/page-784
新卒で船井総合研究所に入社後、会計事務所向けコンサルティンググループに配属。現在全社において女性最年少管理職を務める。創業支援を切り口とした顧問獲得に特化したコンサルティングに定評がある。現在は都心部~地方まで創業支援に注力する約20の事務所を中心に、業績アップに寄与できるよう奔走している。