士業事務所における”働き方改革”について考える
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“働き方改革”というワードにピンときた方はいらっしゃいますか?
おそらく時流を意識されている方は、昨今の経営におけるキーワードの一つではないかと思います。
さて、ここで一つ質問です。
皆さまの事務所で働き方改革における
・産休・育休取得
・介護のための短時間勤務制度
・テレワーク(在宅制度)制度
などの “諸制度の利用率”
・有給休暇取得推進
・残業時間の削減
・サービス残業の禁止
などの “ワークライフバランスの推進状況” はいかがでしょうか。
これまで様々な事務所様の人事に関する制度を構築してきましたが、
ほとんどの事務所様が「制度自体がない」「制度があったとしても
“形骸化”しており、職員様は利用していない」という現実がありました。
そこで今回は、この”働き方改革”について焦点を当てていきたいと思います。
目次
“導入の目的・背景”が明確でない制度は形骸化している
働き方改革につながる制度を導入する目的をお伺いすると、下記のような3つの目的が出てきます。
A:働き方の多様化に対応をするために、労働環境を整備したい
B:採用活動の有利と聞いたから制度としてあることを示したい
C:今後 ※2025年問題 が来ることを想定して、職員の働き方に合わせて
“成果を最大化する方法”を考え、時間・場所に縛られず能力を最大限に活かす仕組みを導入したい
※2025年頃に本格的に直面する超高齢化社会の問題のこと(65歳以上高齢者割合が30%超)
”C” が本来あるべき、導入の”背景・目的”です。
ただ残念ながら非常に多いのが AかBのどちらかとなっています。
A「労働環境の整備」の場合は、
仕組み作りだけに終始し、成果に焦点が当たっておりません。
そのため、制度を利用する人が現れても「この制度って運用する意味あるの?」と
周りから反論が出てきて、制度利用者を追い詰め、結果として利用する人が減少し、
形骸化していきます。
Bの場合は、
言うまでもなく、利用されることはないでしょう。
むしろ、もしその条件で採用をした場合には、制度は形骸化しているため、
反対に「聞いていたことと違う」ということになり、人材の流出にもつながるでしょう。
働き方改革を考える場合には、それぞれ自社にいる人材に適した
“成果を最大化”する方法を考えて導入を検討する必要があるのではないでしょうか。
“働き方改革”が成功している事務所は、職員一人一人のことを考え、
“覚悟を持って”制度を構築している
ご支援先のある会計事務所では、
3年前から”働き方改革”に取り組んでおられます。
その事務所様は、
・残業時間削減への取り組み
・産休、育休制度の利用
・在宅勤務(テレワークの推進)制度
・ワークライフバランス
を推進されており、職員様はそれぞれのライフステージに合わせて制度利用をしています。
その結果として、
・離職者0(ゼロ)
・組織力診断はグレートカンパニーレベル以上(総合満足度90%以上)
・残業時間削減(今期は20時間)
・在宅勤務利用者増(0名→5名)
・業績は目標通り順調に推移(毎年10%成長)
という大変良い結果が出ています。
これは3年前から覚悟を持って代表自ら先頭に立って、働き方改革への挑戦そして組織風土の改革挑んできた結果です。
来たる2025年問題において、これから事務所が生き残っていくためには、兎にも角にも人材の定着と育成です。
そのためにも、上記の事務所様のように、「時間・場所・個人のハンディキャップ」を問わずに、
職員全員が持てる能力をそれぞれに最大限発揮できる環境を事務所が用意すること。
そして、その中で一人ひとりの ”成果を最大化する” 制度構築こそが本当の働き方改革なのではないでしょうか。
そのためにもまずは、自社にいる「子育て」「両親の介護」に直面している職員に視点を当ててみて、
こういった方々が「いつでも・どこでも」働くことができ、「100%能力を発揮できる環境」が何なのか?
ということを、考えることからスタートすることをオススメいたします。
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幼い頃から土木卸業を経営する祖父の姿を見て育つ。
大学卒業後、大手システムコンサルティング会社に入社し、会計事務所向けシステムコンサルティングを経験。在職中の業績達成率は100%を記録、優秀実績賞を3度受賞とトップクラスの成績を残す。その後、会計事務所における採用・定着といったマネジメントの課題を解決する力を付けるため、船井総合研究所に入社。船井総研入社後は、TKC時代より一貫して従事してきた税理士業界の経験を活かし、 従業員数5名規模の事務所から100名を超える事務所における評価制度構築・運用・定着を支援した実績を持つ。