会計事務所の評価制度

 

今回は、会計事務所の評価制度についてお話したいと思います。

 

私自身、会計事務所のサポートを始めて10年以上になりますが、実は、評価制度のお手伝いは今までほとんど行ってきませんでした。

 

その理由は、

 

1.50人までの事務所であったら、トップ一人で評価したほうが正しい。
  →したがって、評価制度は作らなくてもよい。

 

2.評価制度を作ることによって、弊害が起こる
  →経験者採用が多く、制度の基本設計にそぐわないケースが増える

 

3.徒弟制度の流れを汲む会計事務所に評価制度はそぐわない。

 

4.経営戦略→採用戦略→育成戦略のストーリーがないと評価制度をつくっても機能しない。
  →単なる業績連動型給与(にんじんぶら下げ型)では、現場は動かない・・・

 

ということによります。

 

しかし、最近いくつかの事務所の評価制度構築支援を通じて感じたことは、

 

1.評価制度は経営戦略そのものであり、トップの考え(もしくは経営に対するスタンス)が明確に提示されるので、中途半端な覚悟では導入が難しい

 

2.少なくとも、今後5年間の経営イメージと人材の育成イメージができないと形にもならないし、当然導入しても効果は少ない

 

3.事業承継、組織改編など、導入のタイミングの見極めも必要である

 

4.検討から本格導入まで2年近くの期間を設け、現場が混乱しないように最善を尽くすということです。

 

たくさんの会計事務所で、評価制度が形骸化してたり、せっかく作ったけど使われていなかったり、というケースを見てきましたが、その本当の理由が分かったように思います。

 

突き詰めれば、「経営者が現場と契約を交わす」ということですので、つまりは「覚悟」そのもの・・・ということでしょう。

 

逆に言えば、その「覚悟」ができないうちは、評価制度には触れないほうがいいということになるかもしれません。

 

現在の事務所規模の大小に関わらず、これから組織を発展していこうとお考えの方は、必須のアイテムだと言えるでしょう。

 

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