今年最注目モデル!経理コンサル事業の動向
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船井総合研究所の山田颯斗です。
2022年も残すところあと3日となりました。
新年に向けて準備をされている事務所様も多いかと思います。
本日は、今年、最も会員事務所の皆様から注目をいただいた「経理コンサル事業」に関して、「2022年の振り返り」と「2023年の対策」をお伝えいたします。
是非、年末に事務所戦略を検討する上での一助となりましたら幸いです。
目次
2022年の動向の振り返り
経理コンサルマーケットの2022年は以下の3点でまとめることができます。
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①昨年に引き続き「経理代行/経理アウトソーシング」の競合が増加傾向に
②中小企業の経理不在ニーズに限らず、中堅企業からの問い合わせ数が増加傾向にあり、規模問わず、経理担当の人数&スキル不足が露呈
③インボイス制度、改正電子帳簿保存法に対して、「顧問税理士が対応してくれない」ことをきっかけに、全国各地で経理改善等が可能な事務所へ問い合わせが発生
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厚生労働省「一般職業紹介状況について」によると、会計事務(経理人材)の有効求人倍率は2013年の0.43から年々増加し2019年には0.88まで上昇し、2020年には新型コロナウイルスの影響で一時的に低下しているものの人手不足はさらに加速していきます。
その結果、代行の需要は増えるとともに供給者も増え、BPO市場は2021年8856億円から2026年1兆717億円へ拡大すると予想されております。
実際、経理コンサルのマーケティングに注力している事業者は年々増加しており、入札単価制のGoogle広告ではこの1年間でクリック単価が600円から1,000円近くまで上昇(※広告を出稿しているエリアによる)、新規顧客の平均獲得単価も1.6倍上昇しております。
今後もさらに競合が増えることを考えると、広告運用のみでの集客は難化、商品面でも他社と類似した単純な代行サービスでは価格競争からの脱却は難しくなってしまうでしょう。
重要トピックスから見る2023年に必要な対策
トピックス①
インボイス制度申請本格化(令和3年10月1日から)
電子帳簿保存法の改正(令和4年1月から)
やはり2023年最も重要なトピックが法改正ではないでしょうか。
顧問先だけでなく地域の非顧問先へインボイス・電子帳簿保存法対策セミナーを開催していただければと思います。
セミナー内で「制度・法改正の内容」「対応が必要なこと」「解決方法」を一気に説明し、自社が経理を一括でサポートできることを説明し、セミナー後に個別にフォローを行っていただくことで経理のデジタル化を推進いただければと思います。
トピックス②
IT導入補助金
・デジタル化基盤導入類型の新設平均採択率は80%超え
・2023年以降も継続の見込み
IT導入補助金は2022年だけでなく2023年以降も補助金が継続される予定となっております。
改正電子帳簿保存法やインボイス制度に対応するためのサポートを商品化し、顧問先への追加提案や新規客へのクロスセルを行っていただければと思います。その際、IT導入補助金にてクロージングを行っていただくことで受注率も上げることができます。
トピックス③
競合環境の悪化(新規顧客の平均獲得単価1.6倍上昇)
BPO市場は拡大傾向(2021年8856億円→2026年1兆717億円へ)
冒頭でお伝えした通り競合は増加していくことが予想されます。
単純な経理代行ではなく、”クラウドを活用した経理代行” や ”法改正に対応できる経理代行” といった、付加価値の高い商品を設計し、他事務所と差別化を図っていくことが重要になります。
また、集客面でもインターネットとデバイスの発展により、顧客ニーズや顧客行動が大きく変化しております。
「HP×広告」だけでなく、「オンライン上で得ることができる様々なデータを活用した集客」の実施をご検討ください。
以上、まとめると下記の3点を抑え、今後も経理コンサル事業への取り組みを進めていただければと思います。
①競合環境の悪化&顧客ニーズの多様化に伴い、2023年最初に着手すべきは、商品の見直し
(法改正対応商品、クラウド活用商品、補助金パッケージ等)
②集客面では、「顕在層向け」だけでなく、「潜在層向け」のマーケティング施策を実施する
(Zoho活用、セミナー、メルマガ、SNS運用等)
③法改正、クラウド推進等の環境変化により、更に経理コンサルの必要性が高まる!
今回、ご紹介させていただいたお話は、弊社経理コンサルビジネス研究会(勉強会)内で、実際に講演させていただいた内容になります。
経理コンサルビジネス研究会では、会計事務所の皆様に、「経理コンサル事業を新規で立ち上げ、成長発展させること」を使命に運営を行っております。
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https://lpsec.funaisoken.co.jp/study/zeirishi-samurai271/005378/
【執筆者:山田颯斗】